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Kleim & Ehlers (2009)

12月 9, 2012 コメントは受け付けていません

Kleim, B., & Ehlers, A. (2009). Evidence for a Curvilinear Relationship Between Posttraumatic Growth and Posttrauma Depression and PTSD in Assault Survivors. Journal of Traumatic Stress, 22, 45-52. doi: 10.1002/jts.20378

PTG(外傷後成長)とPTSD症状の関係は2012年の今でもまだ議論が続いている.PTGは「危機的な出来事や困難な経験との精神的なもがき・闘いの結果生ずる,ポジティブな心理的変容の体験」と定義されているので,ネガティブな変化であるPTSD症状とは負の相関が見られるはずだと考えられていた.けれども,実際にデータを取ってみると,両者の間に負の相関をはっきりとみとめた論文はほとんどなくて,多くの論文が,弱~中程度の正の相関という結果だった.そこで,研究者たちが,そもそも両者は曲線関係にあると考えるほうが自然なんじゃないかなどと言い始めた頃,それを前面に押し出した論文がJournal of Traumatic Stress (JoTS)から続々と発表された.これがその二番目の論文にあたる.これ以後,私が覚えてる範囲で少なくとも4本は同じJoTSから曲線関係にまつわる論文が発表されている. 続きを読む…