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Posts Tagged ‘神経症傾向’
Su & Chen (in press)
1月 10, 2015
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Su Yi-Jen, & Chen Sue-Huei. (in press). Emerging posttraumatic growth: A prospective study with pre- and posttrauma psychological predictors. Psychological Trauma: Theory, Research, Practice, and Policy. doi: 10.1037/tra0000008
PTGについての研究で縦断的なデータを扱ったものは多くない.PTG(心的外傷後成長)という概念の特徴から,どうしても研究は後手にまわりがちだ.とは言っても縦断研究が全くないわけではないので,そんな中から,冬休み中に共同研究者から紹介された論文をレビューしたい.これは台湾の研究者によるもので,まず810名の大学生からデータを取り,その2ヵ月後にも参加した592名の中から,この期間内にトラウマを経験した110人をデータ分析の対象としている.この研究のウリは,トラウマを経験する以前の個人特性がPTGに及ぼす影響を縦断で見ることができた点にある.いくつか主要な結果があるけれど,私が最も大切だと思う結果は,パーソナリティの神経症傾向がPTGを予測しなかったという点だ.この「神経症傾向とPTGの間に負の相関がない」という知見は,PTG研究一番最初のTedeschi & Calhoun (1996)でも既に見出されている.これは,PTGとレジリエンスの質的な違いを示す重要な証拠だと思う. 続きを読む…
カテゴリー:Uncategorized
core belief, 熟考, 神経症傾向, 縦断研究, PTG