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Tedeschi & Calhoun (1996)

10月 14, 2012

Tedeschi, R. G., & Calhoun, L. G. (1996). The Posttraumatic Growth Inventory: Measuring the positive legacy of trauma. Journal of Traumatic Stress, 9, 455-471. doi: 10.1007/BF02103658   

PTGI(外傷後成長尺度)を用いた最初の学術論文.PTGというキーワードがタイトルに含まれている最初の論文なので,引用率が高い.この論文は3つの研究から構成されている.

  1. 研究1-先行研究等のレビューから集めた34項目をもとに探索的因子分析(バリマックス回転)を行い,最終的に5因子21項目に絞った過程についてまとめてある.信頼性のチェックが主な目的なので,内的整合性と再検査信頼性について報告されていて,結果はほぼ問題なし(3項目しかない「人生に対する感謝」因子でアルファが.67とちょっと低め).
  2. 研究2-PTGIの妥当性のチェックが目的なので関連がありそうないろいろなパーソナリティー関連の尺度との相関係数を見ていて,例えば,Marlowe-Crowneの尺度による社会的望ましさとPTGI合計得点の間は無相関という結果が得られている.また,LOTで測定された楽観性とPTGIの間は,合計得点及び全下位尺度で弱い正の相関.
  3. 研究3-構成概念妥当性のチェックが目的.トラウマを経験した群としていない群のPTGI得点を比較している.結果,トラウマを経験した群でPTGIが有意に高かった.

PTGIは,何かつらい出来事を経験せざるを得なかった人が,それをきっかけにどう変わったと感じているかを測定するために作られた尺度なので,研究3で,特に大きな出来事を過去1年間に経験しなかったと報告している人たちに対して「この1年で以下にのような21の変化を経験しましたか」と聞いて,しかもその人たちの合計得点が,女性で73.49,男性で66.13というのは,かなり高くて,いろいろと考えさせられる(得点範囲は0から105).PTGIは一体何を測定しているのかという議論が起きてくるのも無理はないなと思う.

こんな感じで少しずつPTGや関連領域の文献をレビューしていくことにして,さて次はどの論文にしよう.

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