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Archive for 2013年3月

PTG・レジリエンス第3回研究会

3月 23, 2013 コメントは受け付けていません

現在、大きなストレスを伴うつらい出来事や経験から人が精神的に成長するという現象(Posttraumatic Growth:外傷後成長),及びその近接概念であるレジリエンス(Resilience)や恩恵(Perceived Benefit),意味づけ(Making Meaning)などについて、いろいろな方面の先生方や仲間と研究会を企画しています。これが第3回目になります.日時は6月9日(日曜日)の午後,東京都内での開催となります.詳細が決まり次第,随時,情報を更新していくために,新たなページを作りました(ここをクリックしてください).

Milam, Ritt-Olson, & Unger (2004)

3月 22, 2013 コメントは受け付けていません

Milam, J. E., Ritt-Olson, A., & Unger, J. B. (2004). Posttraumatic growth among adolescents. Journal of Adolescent Research, 19, 192-204. doi: 10.1177/0743558403258273

私の研究室では,メンバーがそれぞれ順番に自分が特に興味を持ったPTGの論文について「自分が彼らの共同研究者だったら」という目線で発表する場をもうけている.発表者以外は私も含めていろいろな質問をするんだけれど,それに発表者がどう答えるかが見所になる.昨日はちょうどその日にあたり,一人の学生がこのMilamの論文を選んで発表した.その際の私の反応は,「おお,久々にクラシックな論文」.私は名古屋大学にいた博士後期過程の時からPTGにまつわる論文を集めては,自分なりに番号をつけて整理していて,今ではその番号は653になっている.この論文の番号は「24」.すごく古い.歴史あり.名古屋大学時代にコピーしているため,名古屋大学図書館のはんこ付きで,紙もちょっと茶色い.私が渡米後に英語で論文を書き始めて最初のうちよく言われたアドバイスは,古い論文ばかり引用しないで,新しいもの,印刷中のものをどんどん入れていきなさいというものだ. 続きを読む…

Ickovics, Meade, Kershaw, Milam, Lewis, & Ethier (2006)

3月 9, 2013 コメントは受け付けていません

Ickovics, J. R., Meade, C. S., Kershaw, T. S., Milam, S., Lewis, J. B., & Ethier, K. A. (2006). Urban teens: Trauma, posttraumatic growth, and emotional distress among female adolescents. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 74, 841-850. doi: 10.1037/0022-006X.74.5.841

PTGの論文は大人が対象となっているものが多い.今,私の研究室では,日米の高校生を対象にPTG の心理教育プログラムを開発してその効果研究をしているので,高校生が対象となっているPTG論文はとても貴重な資料となる.Ickovicsらのこの論文は,高校生が対象になっているというだけでなく,他にもいくつかの点でとても興味深い.例えば,縦断研究であること,出来事が起きたタイミングによって分析していること,PTGIを高校生に分かりやすく変えていることなどだ.でもそんななかでも一番私が興味を持ったのは,PTGのきっかけとなる出来事の聞き方だ.

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