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Tedeschi, Calhoun, & Cann (2007)
Tedeschi, R. G., Calhoun, L. G., & Cann. A. (2007). Evaluating resource gain: Understanding and misunderstanding posttraumatic growth. Applied Psychology: An International Review, 56, 396-406. doi: 10.1111/j.1464-0597.2007.00299.x
この秋,11月に神戸で開かれる日本教育心理学会において,「大災害に対して心理学はこれまで何をしてきたのか?これから何をすべきなのか?」というシンポジウムが開かれる.私も演者の一人としてそこに参加し,PTGの観点から話をする予定になっている.日本教育心理学会への参加は渡米前,まだ名古屋大学の院生だった頃の2003年が最後なので,11年ぶりとなる.それで,自分はそこでなにを一番話したいか…ということを時々考える.そのヒントになるかなと思ったので,Richらが書いた2007年の論文を読み返してみた.この論文は,PTGによくある誤解を解くため,Hobfollらの論文にコメントする形式で書かれている.これを読むと,Tedeschi&Calhounの立ち位置はよくわかる. 続きを読む…
Shakespeare-Finch et al. (2013)
Shakespeare-Finch, J., Martinek, E., Tedeschi, R. G., & Calhoun, L. G. (2013). A qualitative approach to assessing the validity of the Posttraumatic Growth Inventory. Journal of Loss and Trauma, 18, 572-591. doi: 10.1080/15325024.2012.734207
私たちの研究室では,この9月からまた別の介入研究を始める.今回の調査はアメリカ人のみを対象とするものなので,研究計画書やアンケートはすべて英語のみの準備だった.でも将来,もし同じ研究を日本でやれるとしたらどんな感じになるのかなと思ったので,アンケートのみざっと日本語に訳して自分でやってみた.30分くらいかかった.「心的外傷後成長尺度(PTGI)」に回答するのは結構久しぶりだったので,なかなか新鮮だったけれど,同時に,各項目に対していろいろと思うところもあって,(PTGIは,やっぱりつっこみどころ満載だな…)という思いを新たにした. 続きを読む…
APA (2014)
8月7日(木曜日)から10日(日曜日)まで,ワシントンDCで開かれたAPA(American Psychological Association:アメリカ心理学会)の学会に参加し,研究発表をしてきた.研究室のメンバーのポスターが表彰されるなど嬉しい出来事もたくさんあった.写真等はこちら(研究室のホームページ)をクリック.
最も強く印象に残ったことは,(1)PTGを支持している研究者とPTGに批判的である研究者の対話に参加できたこと,(2)個人主義かつ自己愛がますます高くなっている現在の状況に対して歯止めをかけようとする動きが思っていた以上にあること,(3)DSM-Vの問題点にまつわる議論のみならず,DSMにかわる基準やマニュアルを作ろうとする動きが出てきていること,そして(4)政治,社会問題や環境問題などに心理学が貢献しようとする可能性についての研究も増えていること,である.この4点はどれも私の研究テーマに直接関連しているので,今後の方向性を考えるにあたっていい材料になると思う.