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2014 年 4 月 のアーカイブ

Shakespeare-Finch & Lurie-Beck (2014)

4月 21, 2014 コメントは受け付けていません

Shakespeare-Finch, J., & Lurie-Beck, J. (2014). A meta-analytic clarification of the relationship between posttraumatic growth and symptoms of posttraumatic distress. Journal of Anxiety Disorders, 28, 223-229. doi: 10.1016/j.janxdis.2013.10.005

ここ数週間ほど,PTGとPTSD症状の関係を明らかにしたくて取り組んでいるデータの分析が行き詰っていて,どうにもこうにも前に進まないので,基本に立ち返る意味で,この新しく出たばかりの論文を読んだ.PTGに関する論文でメタ分析に取り組んだものは数が少ないので,この論文は貴重な一本だ.これまでは,メタ分析を引用する際,この領域の研究者はほとんど皆,Helgesonら(2006)一本に頼っていた.というのも,それくらいしかなかったからだけれど,それはもう結構古くなりつつあるし,しかもそこでは,両者の間に仮定される曲線関係について,「曲線関係を示唆している論文が2本あるので,今後はその可能性も検討していく必要があるだろう」みたいに,ちょっと触れられているだけだった.けれども,今回,オーストラリアのPTG研究者であるDr. Shakespeare-Finchの辛抱強い研究のおかげで,この論文が表に出て,私たちPTG研究者にとっては,とてもありがたい.私たちの日本人を対象とした論文も,この中に分析対象として組み込まれている.

Taku (2014)

4月 19, 2014 コメントは受け付けていません

Taku(2014)悲しみから人が成長するとき:PTG (Posttraumatic Growth)」を,2014年3月31日,風間書房から出版させていただきました

― 「はじめに」から一部抜粋 -

PTGとは苦しみをきっかけとして経験される人間としての成長,たったこれだけのことなのですが,それがどんなふうにして起きるのか,何がきっかけになってもたらされるのかなど,たくさんの疑問があります.

私は,人は,「なぜこんな思いをしてまで自分は生きていなければならないのか」,「やっと寝たと思ったら,悪夢を見て目が覚める」,「なぜあの時そうしなかったのか」,そして「なぜあの時ああしたのか」.気持ちの持って行き場がなく,後悔と絶望しかないと思うほどに,つらく苦しい経験をしてなお精神的な成長をとげることがある,ということに魅了され,2000年からこのテーマで心理学の研究をはじめました. 続きを読む…