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Nightingale, Sher, & Hansen (2010)

10月 19, 2012 コメントは受け付けていません

Nightingale, V. R., Sher, T. G., & Hansen, N. B. (2010). The impact of receiving an HIV diagnosis and cognitive processing on psychological distress and posttraumatic growth. Journal of Traumatic Stress, 23, 452-460. doi: 10.1002/jts.20554

古いJoTSの論文を2本レビューしたので,今日は比較的新しいものを選んでみた.やっぱりこうして比べてみると,見た目も違うし,データ分析も潜在変数を使ってのモデル検討など,かなり洗練されている.この論文では,HIV/AIDSの診断を受けて少なくとも1年以上は経過している人112名が対象となっている.2000年のカルホーンの論文で発表された「Rumination Scale」の改訂版を用いて,2種類の認知プロセスとPTGI(外傷後成長尺度)の関係をみたもので,私の2008年の論文もたたき台として引用されている.2000年のカルホーンらのJoTS論文では,熟考の内容を,侵入的熟考と意図的熟考に分けているにもかかわらず,分析では結局ひとつにまとめてしまって,出来事直後の熟考と調査時点(最近)の熟考の二つにわけて分析しているので,なんともったいない(そうはいっても,意図的熟考の内容がかなりPTGIで測定しているものと重複していたので,しょうがないのかなあ)という感じがしたけれど,そういう部分がこの論文ではきちんとわけてとらえられ,議論されているので,研究としてかなり前進している感じがする. 続きを読む…